日本画を描く際に必要な基本的な操作について紹介を続けます。
今日はドーサ引きと岩絵の具の溶き方です。
①ドーサ引き
日本画を描く紙は基本的にドーサ引きしたものを用います。ドーサ引きとは膠液にミョウバンを加えたものを刷毛で紙の表裏に塗ったものです。
こうした下準備を紙に施すことで
岩絵の具がにじむことを防ぐことができ、しかも岩絵の具が強固に紙に固定できるようになります。そして紙はドーサ引きしていないとにじむうえに、かわいたときにでこぼこになってしまいます。また塗りむらや絵の具の剥落が起きてしまいます。
したがってこの操作をしない場合にはドーサ引きの済んでいる市販品の紙を使います。
②絵の具の溶き方
岩絵の具(粉末)を絵皿にとります。そこへこの前の回で説明しました膠液を少量加えます。
絵の具の必要な濃さに合わせてそこへ加える水の量を加減します。指で絵皿の底で絵の具の粒子をなでるように動かして溶いていきます。色の加減に関しては、べつに同じ紙の紙片を準備しておき、そこへ置いてみることで調整します。岩絵の具は乾くと色調がかなり変わりますから、この色の調整は何度も描いて覚えていくといいです。
岩絵の具は高価なものが多いですから、絵皿の使い残しの絵の具については、水を加えて、しばらく置いて、上澄みを何度か捨てる操作を繰り返しますと、岩絵の具を回収できます。乾燥させれば再び膠液を加えるところからは同じです。
水干絵の具の場合には、次のようにします。乳鉢に粉末の水干絵の具をとります。乳棒で粗い粒がなくなるまですります。そのあとの操作は、岩絵の具の場合と同じです。水干絵の具の場合には沈みやすいので、均一にしながらすくい取るように筆にとります。
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