2016年2月13日土曜日

イラストを色鉛筆で描く

手っ取り早く、お金も手間もかけずにイラストを書いてみたいという方には色鉛筆画がおすすめです。
スイセン

私も最初は色鉛筆かぁと、少しマイナスイメージに近いものを持っていましたが、描いてみると結構奥が深いことがわかってきました。

もちろんデッサンやクロッキーの基本を行いつつ行ったほうが、自分の思うように描けるようになるのには近道でしょう。しかし、自分の想いを自由に描くのであれば、多少の絵のゆがみや矛盾をあまり気にしないで、好きなだけ時間をかけて描くことができます。

色鉛筆画のコツは、最初はうすい鉛筆で下書きをするといいですが、その後は気に入った色でその下書きをなぞるように、あるいは、色の面を作っていくように、極めて薄い色を塗り重ねていくことです。

以下のようにさまざまな色の色鉛筆について、ぼかしたり、重ねたりの練習をしてみるとどのくらいの調子で置いていくとよいかつかめるようです。


いきなり濃い色を置くことはかえって元に戻しにくいこと(ある程度消しゴムで消せますがなるべく使わないで描きます)になりがちです。したがって、薄過ぎるかなあというぐらいがベストです。そして気に入った色あいや組み合わせ、雰囲気が出つつあるようなら、次第に濃い色を重ねていきます。

色の濃淡もそうですが、明暗についてもそうです。いきなり暗い色では、調子の段階をとりにくくなりがちです。明るい色からだんだん暗い色に(しかも最初は薄めに)していくとうまくいくようです。

こうして描いた一例です。



2016年2月11日木曜日

日本の美術(後半)の練習問題

室町時代以降の美術についての練習問題です。試験などで利用してください。

問1.次の文は室町時代から安土桃山時代の日本の美術に関する文です。( )に適語を入れよう。

室町時代の美術には、当時日本に伝わってきた( ① )宗の影響があります。( ② )の描いた( ③ )画は中国に学び、独自の境地にまで至った画風です。中でも秋冬山水図が有名です。

建築では足利義満が建てた( ④ )文化の鹿苑寺( ⑤ )があげられます。足利( ⑥ )の建てた慈照寺( ⑦ )は東山文化を代表する( ⑧ )造の建築です。①宗様の様式も有します。こうした様式は今の日本の和風建築にも連綿と受け継がれています。

桃山時代には、武家と豪商の絢爛豪華な様式がもてはやされました。絵画は( ⑨ )画が描かれました。( ⑩ )の描いた松林図屏風は屏風絵として描かれました。建築では天守閣をもつ城郭建築が発達しました。姫路城は城の全域が残る最大のものです。

答え ①禅 ②雪舟 ③水墨 ④北山 ⑤金閣 ⑥義政 ⑦銀閣 ⑧書院 ⑨障壁 ⑩長谷川等伯

問2.次の文は江戸時代から明治時代の日本の美術に関する文です。( )に適語を入れよう。

江戸時代には、
(1)( ① )文化…大阪の商人や町人を中心にした上方文化
(2)( ② )文化…江戸の町人を中心にしたしゃれやこっけいを楽しむ文化
に時期によって分けられます。

元禄期に菱川師宣をはじめとして( ③ )絵が描かれるようになり、化政期になるとこの③絵は、版画として多く刷れるようになり庶民に広がります。喜多川歌麿(( ④ )画)、東洲斎( ⑤ )(役者絵)、安藤広重、葛飾( ⑥ )(富嶽三十六景)など、のちの西洋の印象派以降の画家たちにも大きな影響を与える作品を残しました。

絵画では狩野派の狩野( ⑦ )(御用絵師)、俵屋宗達の( ⑧ )図屏風、尾形( ⑨ )が知られます。円山( ⑩ )(円山四条派)、与謝蕪村(文人画)、建築では桂離宮や二条城が有名です。

明治期以降の美術
西洋美術が流入し油絵の技法が広まります。そして日本の美術が( ⑪ )や岡倉天心などによって見直され復興します。

横山( ⑫ )、橋本雅邦、狩野( ⑬ )などの日本画家や、高橋由一、黒田( ⑭ )、岸田劉生などの洋画家が活躍しました。彫刻では高村( ⑮ )などが知られています。

答え ①元禄 ②化政 ③浮世 ④美人 ⑤写楽 ⑥北斎 ⑦探幽 ⑧風神雷神 ⑨光琳 ⑩応挙 ⑪フェノロサ ⑫大観 ⑬芳崖 ⑭清輝 ⑮光雲


2016年2月9日火曜日

原始・古代美術に関する練習問題

原始・古代の美術についてひと通り学習できたら、次の問題で確かめをしてみるといいです。


1.次の文の( )に適当な語句を入れよう。
原始時代の旧石器時代に、狩猟の様子あるいは豊猟を願った絵として、各地に洞窟画が残っています。なかでもフランスの( ① )の洞窟には力強い表現で動物などが躍動的に描かれています。そしてスペインの( ② )の洞窟にも活き活きとした動物の姿が描き出されています。

新石器時代になると農耕や牧畜が始まります。すると巨大な巨石建造物が作られました。イギリスの( ③ )はそうした遺跡のひとつです。

ちょうどその頃の日本では、人々は採集や狩猟の生活をしていました(縄文時代)。この時代に作られた( ④ )土器の中には、伸びやかで躍動感に満ちたものがあります。また土を焼いて作り祈りの意味もあるとされている( ⑤ )は優れた装飾性を備え、日本の美術の源流といえます。

大阪万国博覧会の会場の「太陽の塔」を作成したことで知られる岡本太郎は、この④土器の力強い表現に圧倒され、のちの作品の着想を得たといわれています。今も現代人の心を打つ力をこの時代の文化は有しています。

自然に恐れを持ち、その一方でそれに対抗しようとしたり、恭順したりして生きてきた古代の人々の生きることへの( ⑥ )を表しているのではないでしょうか。

答え ①ラスコー ②アルタミラ ③ストーンヘンジ ④縄文 ⑤土偶 ⑥願い 

2.次の西洋の古い文明の美術に関する文の( )に適当な語句を入れよう。

農耕や牧畜が始まると作物の豊作を願う宗教的な側面が文化に表れてきます。古代( ① )の美術は、たくさんの絵や文字が残されています。当時の生活や文化の様子が活き活きと絵から伝わってきます。絵としては独特で形式的な表現です。

古代( ② )では、人間の美の理想を追い求めました。それは人間を表す上でも反映されました。「ミロの( ③ )」などはそれを象徴するものです。

古代( ④ )の美術では、②の美術の影響を色濃く受けています。政治家や皇帝の大理石の像が作られ飾られました。のちの中世期において文芸復興といわれ、古代のこうした文明の人間尊重の文化を模範とした( ⑤ )の時代の文化に強い影響を与えました。

答え ①エジプト ②ギリシャ ③ヴィーナス ④ローマ ⑤ルネサンス 


2016年2月7日日曜日

人物画のポイント クロッキー

以前に人物画については簡単に触れました。さらにその第2回です。人物は一番身近でありながら、なかなか対象として描こうとすると、静物画と違って難しい面があります。

クロッキーはおすすめ

何しろ相手は生きた人間ですから感情もあればそのときどきで表情も変わります。そして同じ姿勢を長時間とることは非常に困難です。


こんなこともあって人物を絵の対象にするのはなかなか取り組みが容易でないと、二の足を踏んでいる人もいるでしょう。

そんなときはクロッキーがおすすめです。むしろ描く時間を短くしてしまいます。場合によっては2,3分でもよいです。そのほうがポーズをとってくれている人も楽ですし、描くほうも気兼ねもそれほど要りません。

もちろん、ポーズをとってくれている人への心遣いは最も必要なことです。それにも増して時間が限られていますから、ポイントをつかんでいないとあっという間に時間が来ます。したがってそれだけ、ポイントを捉える力が養われます。

クロッキーのポイント


人物を捉えるのに必要な要素については前回で触れました。全身を骨格あるいは立体物の組み合わせで捉える考え方です。それから各部分の長さの比を的確に捉えることです。それさえ守れば、いっさい消しゴムなど使わないで、その人のもつ雰囲気を捉えることができるようになってきます。

もちろん短時間ですから、顔の目や鼻などのパーツの細かいところは省略しても構いません。指などもそうです。したがって、大きなかたまりの動きや方向などがしっかりつかめているかを目標にします。

クロッキーは毎日、あるいは時間の許す限り継続すると、それなりに効果が出てきます。最初の頃と、1ヵ月経ったときの自分の絵を比べてみるとその出来の違いにきっと驚くと思います。