2016年1月2日土曜日

スケッチの楽しみ その2

ある川のほとりにスケッチに行ったときの話です。列車での旅行です。ある駅で降りて、あてどもなくてくてく歩いていると、護岸工事などまるでやっていない川の橋の上です。乗る予定の列車までにはまだ時間があります。
日の出

周囲は田園地帯で遠くの山々には新緑の緑が鮮やかでした。川はその山々の間から流れ出てているようでした。上流をたどろうかなとも思いましたが、それはやめにして周囲を見渡すと、人家の点々とある田園風景。どこをスケッチしても絵になります。

のどかな日曜日の午前中ですから、行き交う人も全くいません。ひばりが空高く鳴いています。何十年もこのままで時間が止まったかのような場所です。橋の上ですが歩道も十分広く邪魔になる場所ではなかったので、川と山々を入れてスケッチすることにしました。

ほどなく4Bのえんぴつでスケッチが終わり、携帯用の水彩絵の具と筆を取り出し色を軽く塗ろうとしていたとき、はたと困ってしまいました。水がありません。川に下りほんの少し水を汲めればいいのですが、下って行けそうな場所ではありません。

さあ、どうしようと思い、「そういえば…。」と肩に下げたリュックの中にウーロン茶のペットボトルがあるのを思い出しました。そこから筆洗に少しだけとり、テッシュで筆をぬぐいながら色を変えて難なく塗り終えました。淡彩でしたのでそれで十分でした。

それから時間がたっていますが、色はそんなに変化していません。だれもこれをウーロン茶で描いたなんておそらくわからないでしょう。


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