2018年7月22日日曜日

絵の具の混色について

木々の緑を水彩絵の具で出そうとすると、12色セットや24色セットのなかのビリジアン(ビリディアン)や緑色、黄緑色ではどうにも表せないときがありますよね。

私も中学、高校時代に悩んでああでもないこうでもないと、混色を試みました。そのなかでわりとましだったのが、この木々の葉の色です。

あきらかに ビリディアンに茶色(バーントシェンナ)をほんの少し混ぜた色に見えました。特に日本の古来からの色である鶯(うぐいす)色、鳶(とび)色、松葉色(下図、モニタ画面上では若干色が合っていないかもしれません。)







などはいずれもその混色で近い色が出せることに気づきました。結構渋い色です。
そこで、高校の美術の時間にその色を使って和風の版画に使っていたら、美術の先生から「おお、なかなかいい色を出してるな。」とほめてもらえました。

それから油絵の場合の木々の緑については、19世紀フランスの画家のコローや、同時期のイギリスの風景画家のコンスタブルなどの画集を眺めますと、独特の木々の葉の色の表現が見られます。それまでにない黄色に黒を混ぜる表現に成功しています。コローの銀灰色と呼ばれる表現だそうです。

じっさいに油絵を描くときに私もその混色を行ってみたことがあります。たしかに黄色に黒を混ぜると、上で書きました、緑色に茶色を混ぜるのとはまた感じが違います。木々の緑の陽に照らされている部分から葉陰の部分の色に至る階調を多段階で表すには、たしかに黄色~黒による混色は優れているなあと感じました。

こういった混色や、点描による色の並置はさまざまな画家が試みています。

絵の具箱のチューブから出したままの色は、水彩の風景画の場合にはあまり使わないです。
ただし、混色が過ぎると濁った彩度の低い色になりがちですから、注意が必要です。2色を混ぜるだけでも数限りない色が出せますから、皆さんも自分なりの混色の組み合わせを考えてみてください。

絵の色については奥が深いので、また別の機会に書きたいと思います。

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