前日に説明した「木で作る工芸品」のところで説明した部分と一部で重複するかもしれません。
木や石を彫ることを彫造(ちょうぞう)といいます。前回の粘土で像を作る塑像(そぞう)と違って彫りすぎたからといってつけ足すことはできません。そこが彫造の少し難しいところかもしれません。
木を彫るときにはいくつか気をつけることがあります。木は自然のものですから、その材質は一様の性質ではありません。場合によっては節があったり、木目が詰まったところは堅かったりしてとても彫りにくいです。
しかしそれだけ木に独特の味わいが出せます。無事に彫り終えたときには作品に愛着が増すことでしょう。
木彫に使う木は、ヒノキ、クスノキ、カツラ、ホオ、サクラなどがよく使われます。彫りやすく手に入りやすいのと、いずれも木目などが美しいからです。
木彫は木づちとのみで彫り進めます。最初は大まかにあら取りをします。その際はのこぎりなどを使っても構いません。彫りの途中でも形を整えるためにデッサンをし直すこともあります。
木の場合気をつけないといけないことがあります。のみは刃表を彫り残す側に向けて使います。裏を使って彫ると木の木目に逆目になると刃が深く入りすぎます。ささくれをつくってしまいやすいので注意します。
木彫の場合はふつう、彫りあとの風合いを生かすためやすりがけなどはふつうしません。先日の木の工芸品の場合にはやすりがけをすることがありますが、この木彫の場合には彫り跡をそのまま生かすようにします。
したがって、仕上げに向かうにつれて、彫りを細かくして彫り出していきます。細かいところは彫刻等や切り出し刀を使って彫ると彫りやすいです。
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